とある有望な学生からのメッセージ(一部抜粋)。
大学生(若者)はこうでなくては!と深く感動した。
「今年度は休学することにしました。
経済的影響もありますが、何より最後のキャンパスライフをこの状況で過ごしたくはなかったので、以前から考えていた休学に踏み切りました(^ ^)
早速、島根県の会社で4月から働いています。5月いっぱいは島根でフルタイムで働くので、また色々と経験出来そうです。
時間はこの先沢山あるので、今年度は色々やりたい事をしてみる予定です!」
このご時世、不安なく過ごせる人はいないだろう。
大学で就活相談を聞いていると、この先「どうすれば良いのか?」というものが多いが、今回の状況は過去にも例のないことだから、相談される側も明確な回答はもっていない。
しかし、「不安」への対処法は大学、というより過去の人智にいくらでもあり、誰でもそこから道を考え出すことはできる。
その答えは人によって異なるが、まさに若者が主張する「個性」や「多様性」の発揮機会だ。それを大事にして欲しいと言う若者の多くが「正解」を求めて「不安」になっていることに気づいているのだろうか。
挫折経験がない(本人は気づいていないことが多いが、自分の壁を越えたことがない)という若者にはチャンスともいえる。
心理学では「不安」と「恐怖」は違うと教えているはずだ。
「不安」は対象が不明で、その相手は内部(自分)だ。
「恐怖」は対象が明確で、その相手は外部(社会)だ。
いつも授業でしつこく言っている持論だが、「不安」には「知識」「仲間」「行動」が有効だ。人間の脳は悩む(不安)と考える(対策・行動)は同時にできない。
極論すれば「不安」というのは余裕のある人の感情だ。
学生だって、期末試験前日になれば「不安」になっている暇なく、教科書で「知識」を深め、「仲間」のノートをコピーし、必死に学ぶ「行動」に出ているはずだ。
今回も始まったばかりの講義で話した。
『大学とは、どんな問題に直面しても、
なんとかできる
強い意志、思考方法、対応力、
それを養う挑戦の場である。
失敗が財産になる貴重な場である。
故に、大学生に失敗はありえず、
発見と経験があるのみ。
本当の失敗は、何もせず諦めることだ。』
それを学ぶために、法学も文学も理学も工学も卒論もある。
たかが就活やコロナ如きに負けるほど、人類は弱くない。
(話しが大きくなってきたな・・・。)
こうした授業を受けた学生が、冒頭の様な思考と行動にでてくれたなら、教員としては至福の至りだ。キャリア教育の本当の成果とは、成績表の結果などではなく、その後の人生に大学の学びを発揮できたかだ。
更に、その行動が、自分のため、他者のため、社会ためだ、と考えてくれたなら、思い残すことはない。
ということで、今年の就活が不安なら、いっそのこと止めてしまっても良いだろう。来年の就活は(おそらく)V字型に回復するはずであり、その際、このような行動を取れた学生が低い評価をされるはずがない。
(もっとも、何もせず引き籠もって低俗なTV番組が言う「コロナ疲れ」「コロナ太り」になっていたら論外だ。)
今こそ、若者の根拠の無い自信と行動に期待したい。
「俺たちの旅」とか再放送しないかなあ。
観たい名作ドラマがたくさんあるのに。(^0^)