来春の就職活動に向けて大学でのガイダンスの準備に追われている。コロナ禍といっても、業界全部がわるいわけではないことが、企業の採用意欲の差でわかる。
マスコミ報道はいつも一般的な平均値だから、そんなものに右往左往されるようなら、厳しい言い方だが、大学で何を学んでいるのか。言い方を変えれば、大学生ならマスコミの少し先や少し奥にあるものを見る眼をもつことだ。そうした基本的なアカデミックスキルを教えていない教員の責任も大きい。
いや、大学教員は昔からそんなことを教えていたのか、と考えると今とそんなに変わらない。昔は大学生の学力と自尊心に助けられていた。変わったのは大衆化した大学の学生の方だ。そして、少子化のいま、今後、この傾向はますます続くだろう。
しかし、今のままでは大学進学率もこれから低下すると思われる。大衆化大学を支えたミドル層が低迷し、結婚も出産も減るデフレスパイラルに入っているからだ。それでも、循環型変化と構造的変動を見極めて戦略を立てるなら道は拓けると思う。
就職不況に話しを戻すと、こんな時にいつも出てくるのは、過去50年振り返って見ると・・・たいしたことはない、歴史は繰り返す、という論だ。私はこれはこの20年のITと人口減少という基盤構造が変動しているので、戻ることはないと思う。
航空産業の新卒採用停止が報道された。空を目指す学生には気の毒だが、冷静に世界の状況を見れば、あまり楽観的には見られない。今の職員を守るだけでも精一杯だ。(しかし、V字回復は起こりやすいと思う。そうした急降下急上昇に対応してきたのも航空業界の雇用戦略だった⇒結構、勉強になった)。
私が気になるのは、大規模な新卒採用が停止すると、企業人事の採用・能力開発人材もリストラされることだ。それはバブル崩壊の時も、リーマンショックの時にも見てきた。結果、企業の人事からできる人材採用・育成のプロが独立企業・転職する。そして弱体化した企業人事をクライアントにする。
それが人材ビジネスが進化してきた過程だ。企業人事よりも人事コンサルの方がどんどん強くなっていく。
翻って、大学教育はどうか。
大学教育は社会のこうした状況に対して何ができるのか。
少子化で大事に育てられ、いつまでも月夜見にかかって夢をみせられ、承認要求が強くなり、学び取るチカラと自己責任という言葉を失っていく。
来期の構想を考える時期、現実離れの妄想や空想に耽る帰宅電車。これが一番の居眠り防止策になる。
そういえば、小学生の頃から空想ばかりして、考えの海を泳いでいた。あの頃は空も飛べたし七つの海も渡れる気がしたね。
いまはそんな空想も、アニメが与えてくれるのか。早く気づかないと、無限列車に食べられちゃうぞ。
全集中、夢の呼吸。(^0^)