早いもので、今年も1週間余りとなりました。師走で教員が多忙なのは当然として、前回のコラムの通り、学生も企業のインターンシップに呼ばれて走り回っています。お陰で大学内での業界セミナーに学生が集まらないという声をあちこちで聞くようになりました。体が二つ欲しくなる季節ですが、最近、「パラレルキャリア」が話題になっています。よく見てみると、大学生も結構、パラレルキャリアをやっているようですね。
パラレルキャリアはドラッカーの紹介によりますが、法政大学同僚の石山恒貴教授が同名の著書を出され、国の「働き方改革」の勢いもあって社会的認知は上がっているようです。一般に、副業・兼業と同じに見なされていますが、定義はさておき、本来の仕事は異なる場所でも活躍することと考えれば、大学生の授業と部活やアルバイトは立派なパラレルキャリアと言えるでしょう。
しかし、パラレルキャリアで難しいのはやはり本業との両立で、本来の意義では複数の活躍場所をもつことで相乗効果を生むことを言いますが、結局、どちらかに軸足を置くことを考えないと悩ましいです。高度成長期の大学生が言い出した「大学は勉強だけの場所ではない」という言葉は、その難しさを表しています。正副業が逆転して、プロスポーツ選手やミュージシャンになるために大学に来る若者はそうした環境を活用していました。
さて、面接の場でも学生からパラレルキャリアに似た以下のセリフを良く聞きます。
「大学の授業がつまらないので、これではいけないと思い、専門学校で資格取得を目指しました。」
というものです。学生はパラレルキャリアというより「ダブルスクール」と言いますね。
(採用担当者として二点突っ込みたくなるのは、両方とも十分にできなければ「ダブル」(副業・兼業)ではない、「目指す」だけなら誰にでもできる、という点です。笑)
上記の通り、パラレルキャリアは正副の意識はどちらでも良いですが、「両立」や「相乗効果」がなければ意味がないと思います。
学生のサークル活動を見ていると、近年は「兼サー(兼業サークル)」が当たり前になりました。昭和の時代に運動部で過ごした私には信じられないことですが、社会の変化もあって、現代の学生の方がパラレルキャリアを上手に使うかもしれませんね。
実は私も20年前からパラレルキャリア(兼業)を続けています。このメールマガジンのコラム連載もその一つで、気がつくと今年で15年にもなりました。これまでバックナンバーは放っておいたのですが、たまにお問い合わせを戴くこともありましたので、初回(2002年6月)からのコラムを私のブログとして下記にアップ致しました。目次もなく振り返ると恥ずかしいものもありますが、ご関心のある方にご笑覧戴ければ幸いです。では、どうぞ良い年をお迎え下さいませ。
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