第317号:多様な採用手法に込められたメッセージ

最近の採用活動のトレンドは、採用方法そのものを広報手段とすることです。大規模な母集団形成ではなく、自社の求める人材にターゲットを絞り、選択的な母集団形成をすることです。そのため、他社とはひと味違う多様な採用手法をあみ出し、刺激的な広報で惹き付けています。

 

ユニークな採用活動を行っている企業のまとめサイト(こうしたまとめサイトができるということからも、ユニークな採用手法が流行しているとわかります)は文末の参考URLでご覧頂けますが、本当に百花繚乱です。一見、真面目にやっているのかな?と思わされるものもありますが、採用担当者は真剣に取り組んでいるのです。

 

例えば、広告業界である東急エージェンシー社の「顔採用」というのはひときわ目立ちますね。人によっては怪訝に思ったり、面白いと思ったりすることでしょう。これは、あえてネガティブなキャッチコピーを使うことによって目立たせ、これまで広告業界に関心のなかった人にも振り向かせるのが狙いです。そして、こうした人の好奇心をかき立てる行為が広告業界(東急エージェンシー社)の仕事であるとのメッセージが込められています。

 

という意図なので、「顔採用」という言葉を四角四面に捉えておこるような人はこの業界には向かないよ、という選択的広報がなされているのです。勿論、実際の選考で容姿を採用基準にいれているわけではありません。同社の広報サイト(以下URL参照)をご覧頂ければわかりますが「顔採用」の結果で得られるものは、面接希望日が選べる等のものでしかありません。

 

これとは真逆の四角四面型採用手法といえば、チームラボ社の「卒制/卒論採用」でしょう。同社はユニークなデジタルアートの開発で急成長してるいベンチャー企業ですが、東大・東工大の理工系学生達による創業です。そのため、モノヅクリ(システムインテグレート)が基本で、面接で見るコミュニケーション力よりも、論理的にアウトプットを出せる力が重視されます。その資質は卒論の書き方ではっきりわかるわけです。(以前のコラムで書いた通り、これは文系学生でもある程度わかります。)

そのため、卒論をしっかり書かない(書けない)学生は、同社を避けることになるでしょう。

 

このように、採用手法に個性を出すということは「求める人材」のメッセージを明らかにするということです。企業セミナーで「我が社の求める人材像は・・・」等と何処でも似たような要素を挙げるのではなく、採用手法を通じて具体的に示しているわけです。学生にはこうしたメッセージをちゃんと読み解いて応募してほしいものですね。

 

▼【ちょっと変わった】面白い選考方法取り入れている会社【就活】

http://matome.naver.jp/odai/2132949328677520401

▼東急エージェンシー社の「顔採用」(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=bHTy_0mdCdM

▼チームラボ社「卒制/卒論採用」

http://sotsusei.team-lab.com/

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