残暑お見舞い申し上げます。早いものでお盆休みとなりました。このメールをご覧になるのがお休み明けという方も多いでしょう。今年の夏は、安保関連、原発再稼働、戦後70年、記録的猛暑等々、例年にはない大きなニュースがたくさん流れています。そのせいか、この8月1日からの就活解禁は、あまり世間で大きな話題にならなかった気が致します。ちょっと嬉しいような寂しいような気分です。
少し前までは、イスラム国、ギリシャ経済破綻が大きな話題でした。これらの問題は決着がついたわけではありませんが、ニュースにならなくなると私たちの意識から遠ざかり、あたかも片付いたかのような錯覚に陥ります。これだけの記録的な猛暑が続いたなら、水不足や電力問題だって大きな問題になっているはずですが、どうなっているのでしょう。
こういう話題を引き出してみたのは、世の中には知らなければ幸せだということもある、と言いたかったのです。自然環境破壊などの本当の大問題が人知れずに進行するというものと違って、人間社会における経済・社会活動では知らなければ何の不安も問題もなく過ごせるものがあり、大学生の就職活動や企業の採用活動は、そんな性格もあるのではないかと思います。
例えば、パワハラ面接・オワハラ問題についても何処まで実態の把握は本当に困難ですし、対策もたてようがありません。私自身が出会った無数の企業採用担当者の方々も、それは何処でやっているの?と思っています。特定の地域・業界・時期では頻繁におこっているのかもしれませんが、そうした局所的な事実がニュース報道されると一気に世間全体がそうであるかのように拡散、多くの学生を不安に陥れます。
そうしたブラック話題ではなく、もう少し身近なホワイト話題だと、友人の内定情報も同様です。早期に内定を貰った優秀な学生は、周りの就活仲間にはなかなか言えませんね。話すことよって友達が焦ったり、距離ができたり、場合によっては僻まれたり。内定を持っていない学生も、そうした情報を仲の良い友人から聴くと自分の面接に気負いすぎて悲壮感が出て失敗することもあります。
マスコミが社会の問題を取り上げて報道する使命はわかりますが、今年のように粛々と進んでいく状態は、あながちわるいものではないと思います。逆に、何処の会社がこんな良い採用活動をしている、こんな良い会社が若者を求めている、という報道を期待したいものですね。
さて、手前味噌で恐縮ですが、今春から毎月行っている法政大学でのビデオ教材研究会ですが、この夏休みは集中勉強会として、企業人事担当者と学生とこうした時代のキャリア教育や大学と企業と学生のあり方も討論してみたいと思っています。ご関心あるかたは、是非熱い話をいたしましょう。
▼8月27・28日 企業人事・学生とのビデオ教材研究会(法政大学)
http://3dep.hosei.ac.jp/event/details/2015/07/27/id4107