文科省事業の「就業力GP」については皆様の記憶に新しいと思います。2010年から5カ年の予定で開始された事業ですが、当時の民社党政権による事業仕分けで、わずか1年で廃止になってしまいました。その後を受け継いだ「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」で継続的に取り組んでいる大学は約100校になりますが、法政大学もその1つです。来る8月5日(月)に公開シンポジウムを開催し、我々の活動報告を行います。企業、大学関係の方々と多くの意見交換できればと思います。
私が法政大学で取り組んできたテーマは、「産学連続教育」です。産学連携から更に一歩踏み込んで、大学と企業で協働した人材教育のプログラム開発のことですが、具体的には、以下のようなものです。
1.大学授業と企業研修で共通に使える教材の開発
2.大学の能力評価と企業の採用選考で共通に使える基準の開発
3.上記活動を共通の財政支出で開発
例えば、このメルマガでもご紹介してきた教材ビデオは、企業のケーススタディを戴くだけではなく、その教材の人材育成にも使用できるように上位バージョンを作成しました。法政で開発したアセスメント・ツールについても、そのまま企業の一次選考に使用できるものにしました(大学側の視点で言えば、能力指標付の新しい学校推薦です)。そして、これらを開発するための予算も、文科省の補助金だけではなく、協働企業にもご負担戴くことができました。シンポジウムでは、実際にこのプログラムに参画戴いた企業人事の方からのコメントも戴きます。
そして、私が「連続」という言葉に込めた想いは、この文科省事業が終了しても継続できる「体制」
の開発です。この2年間をかけて開発してきたプログラムはある程度の形になりましたが、これからの2年間はこのノウハウを多くの企業・大学の方々とシェアしていくことです。国の事業は往々にして予算が切れた時点できれいに消滅してしまいます。そうした前例を打破した「連続事業」にしたいと思っています。それはきっと、大学教職員と企業採用担当者の深く良い関係にもなると思うのです。
以下、参考サイトURL:
▼「働くチカラ」シンポジウム(8月5日)⇒どなたでも参加できます。
http://3dep.hosei.ac.jp/event/details/2013/07/04/id2716
▼「新作教材ビデオ」ワークショップ(7月19日)⇒教職員向けです。
http://3dep.hosei.ac.jp/event/details/2013/06/27/id2649
*ビデオワークショップにご参加の方には新作教材ビデオを差し上げます。