メディアに登場するアイドルにはいろいろなタイプがありますね。昔のように一芸に秀でた技を提供するタイプもあれば、マルチの才能を発揮するタイプもあります。どちらが良いかというのは好みの問題で正解はありませんが、今が盛りのエントリーシートを見ていると、大学生の好みと採用担当者の好みの違いはハッキリしているように感じます。
私はTVの芸能番組は見ませんので最新のアイドルの動向や人気の曲などはわかりませんが、キャンパスにおける大学生の話題や、放課後にチームで踊っているダンス・サークルを見聞きすると、何となく傾向はわかります。最初は違いのわからなかったAKB48とPerfumeも区別できるようになりました。たまたま研究仲間にこの2チームの違いで修士論文を書かれた方がおられましたので、指導を仰いでみたところ、成長する過程を応援することを楽しむアイドルチームがAKB48であり、完成された踊りを応援するのがPerfumeだということです。更に、ファンの年齢層が若い(大学生層)のがAKB48で、わりと中高年にも指示されているのがPerfumeだそうです。
ここで、なるほど!と思ったのは、最近のエントリーシートの内容と同じだということです。大学生の書く自己PRは、結果よりも過程に重点があるものが多いです。自己成長をアピールしたいのですね。「頑張ったことはなんですか?」という問いに対して、自分の内面の葛藤や悩みに挑戦している姿勢を詳しく書いてくる人が多いです。そのバリエーションも多種多様で、まさにAKB48型です。
一方、学生より年配である採用担当者の好みは、やはり結果・成果・具体的行動を求めているPerfume型と言えるでしょう。それはエントリーシートの設問を読めばすぐにわかります。下記のとある有名企業のエントリーシートの設問をご覧下さい。
・あなたが決断を迫られた最大の場面はどのような時でしたか。また、そのとき、あなたはどのように考え、行動して決断したか、記述して下さい。
・あなたの過去の経験の中で、新しい発想、経験、機会や物事の仕方を探究して地域や組織、人びとに変化・変革を起こした事例を記述して下さい。
・あなたが目標に対してリーダーシップを強く発揮し、主体的に周囲の人と共に成果をあげた事例を記述して下さい。
・あなたが自分と異なる価値観を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。
この4つの設問で求められている「行動」「決断」「経験」「成果」「事例」「達成」という単語のオンパレードから、内面の成長プロセスよりは外面のアウトプットを求めていることは明らかです。
ということで、趣味の世界ならともかく、企業に提出するエントリーシートなら、プロセスの後に来るアウトプットまでしっかり書いた方が良さそうですね。大学生のパフォーマンスに期待しましょう。