GWが明け、大手企業では総合職の内定出しが進み、辞退者対策(追加募集の有無)の検討に入ると同時に一般職の採用選考がヤマ場になってきました。一般職の採用選考基準について着目してみると、はレベルだけではなく求められる内容や環境が変化してきています。しかし、一般職を志望する学生の意識はあまり変わっていない気が致します。ここ数年のミスマッチの背景を整理して、採用担当者が求めている意識の変化について考えてみましょう。
一般職の就職活動の環境変化には主に以下の点があげられます。どれもこの15年ほどで大きく変わってきた点であり、景気が良くなっても元に戻らない構造変化です。
・仕事が減少・無くなった
⇒IT,アウトソーシング等による企業の業務改革(単純作業の削減)
・仕事が変化した
⇒準総合職の創設、コスト部門からプロフィット部門にして成果(売上)を求める
・代わりが増えた
⇒派遣社員導入による正社員の削減(人件費の固定費から変動費化)
・競合する強敵が増加
⇒総合職指向の非社会学系有名大学女子学生の参入(総合職を一般職の待遇で採用)
その一方、一般職を志望する学生はこうした環境の変化に気付かずにいるようです。この10年間、模擬面接をしておりますが、相変わらず「サポート役」として支援したいという意識に変化は感じません。(そもそも大手企業のセミナーもそうした点をしっかり伝えているようには感じません。努力しなくても学生が集まるからです。ハッキリ言って採用担当者としての努力不足を感じます。)
さて、こうした環境の中で一般職を志望する学生にはどんな意識を持って貰うことが必要でしょうか。私は売上向上意識と、経費削減意識の2点をもつことだと思います。
・総合職の仕事を知ろうとする努力をする
私自身、営業職時代に一般職の社員にサポートして戴いておりましたが、デキル一般職は、総合職である私の仕事を知ろうとし、自分のやっている仕事の意味や前後の流れを理解しようとしていました。つまり、言われたことを言われたとおりにやっているだけではなく、自分で理解/判断しているのです。その結果、トラブルを未然に防いでくれたり、トラブルがおきても対処が速いです。
・コストを下げる努力をする
これは自分の仕事を理解してきたら、いかに速く・無駄なくできるかを考えることです。これも言われたことを言われたとおりにやっているだけではなく、常にこの仕事は本当に必要なのか?もっと楽はできないのか?と考えることです。自分の仕事がなくなってしまうのではないか?などと心配する必要はありません。そうした人には必ずもっと高度な仕事が依頼されるようになりますし、逆にそうでない社員は、上述の派遣社員やアウトソーシングにいずれ置き換えられてしまいます。
翻って、皆さんの大学の一般職は、こうした意識をお持ちでしょうか?サポートしたいなら、サポートする人の仕事を知る努力をすべきです。是非、学生に問うてみて下さい。一般職のやり甲斐に改めて気付く学生も多いと思います。