2月12日販売の週刊ダイヤモンドは「就活の虚実」というタイトルでした。年に何度か見かける就職活動の特集号ですね。このような企画は何処かの就職コンサルタントが寄稿していたり総花的なものが多いのですが、今回はなかなか気合いの入ったものがあるなと見ておりました。例えば「学歴フィルター」の記事です。なかなか扱いにくいテーマですが、面白い取り上げ方をしてくれました。
今回の特集では、人気企業100社の採用担当者に「就活生が本当に聞きたいことをぶつけた!」と称するアンケートを行っています。これも毎度のあたりさわりの無い集計になっています。私もかつて回答したことがありますが、企業として公開で答えられるはずが無い設問が多いのですから、仕方ありません。「学歴フィルター」に関する質問などはその代表です。盗人に「あなたは泥棒ですか?」と聞いているようなものですから。
しかし、こちらも嘘をつくのは嫌ですから、こうした設問にはできるだけ都合良い解釈をして「嘘ではない」と自分を納得させて回答します。例えばこの学歴フィルターに関する質問は、『大学によっては採用目標人数(学校推薦含む)を決めている』となっております。こうした質問については、「我々は早慶上智をターゲットとしており、良い人材ならば何人でも(無限大に)取ることにしているので目標人数は決めてない。だからNOだな。」という具合です。(実際、採用仲間に聞いてみると、ターゲット校を決めている企業は多いですが、大学毎に明確に人数を決めているというよりは、東一早慶群で何人位、MARCH群で何人位という大括りの目標であることが多いような気がします。)
それで、今回の特集も「ああ、またいつものパターンか」と見ていたのですが、その次の項目の「覆面座談会」のページでは、人事採用担当者に「この質問にはウソをつかざるをえないでしょう。」と堂々と真逆のコメントを言わせています。おお、なかなかやるな、と思ってしまいました。
本当に学歴フィルターについて調べたいなら、アンケートよりも大学内セミナーの参加状況を集計してみればすぐにわかると思います。採用担当者の時間の都合上、ターゲットとしている大学にしか訪問できませんから。皆さんの大学を訪問される企業群もある程度、固定化していますよね?
さて学生にとっての問題は学歴フィルターの有無を確かめるよりも、どう対処するかです。「学歴フィルターのせいでセミナーの予約が取れません。」との不満を漏らす学生とは私もよく出会います。しかし、そうした学生はそこで諦めていることが殆どです。彼らにとっては「学歴フィルター」という理由があった方が自尊心を潰されなくて良いのかなと思わされます。
こんな時、内定する学生はダメ元でその企業に直接電話して、「貴社のセミナーに行きたいのですが、Web予約がとれません。どうすれば良いですか?」と直談判していますよね。このアプローチも既にマニュアル化されているので門前払いにする企業も多いです。しかし、このダメ元をする学生は行動力があるので内定率が高いです。私の教え子にもそうした学生がおりましたが、笑いながらこんなことを言っていました。「だって、有名大学に入る苦労を考えたら、電話の方が楽じゃないですか。」
ああ、やはりフィルターを乗り越えていくのはこんな子なんですね。