3年生の就職活動にエンジンがかかってきたなかで、4年生の未内定者の課題は悩ましいですね。私も非常勤講師を行っている学生の個別相談にのっておりますが、何人かの学生と話していて気づいた共通点がありました。とても「自己都合的な諦め」が多いのです。この点はこれから就職活動を始める3年生にも見られると思いますので、お伝えしておきたいと思います。
相談をしていて意外と多かったその「自己都合的な諦め」とは、企業の採用選考中で結果が出る前に自分から選考辞退をしてしまう学生です。しかもこうした学生の殆どが、全く選考を通らないレベルではなく、応募先さえ間違わなければ内定の取れそうな方々です。不思議に思って理由を尋ねてみると、以下のような答えが買ってきます。
「面接で採用担当者の方の反応(採用意欲)が感じられなかった。」
「一緒に受験した学生からその企業の良くない評判を聞いた。」
「一緒にグループ面接をした学生が有名校ばかりで自分は受からないと思った。」
情報に敏感になる学生の気持ちもわかりますがあまりに主観的な判断で、その情報をちゃんと判断する知識や技術が無いのだなと感じます。上記の例でも、採用担当者にはいろいろな人が居りますし、普段は元気な人でも1日30人も面接をした最後のコマでは流石に疲れも出るでしょう。(しかも1日中、似た話を聴かされているのです。)学生のクチコミ情報も良い評判より悪い評判の方がすぐに広まりますし、そもそも学生が何処まで正しく情報を理解しているのかというのもあります。同じグループの学生が有名校ばかりなら、逆に自分に自信を持っても良いはずです。(学校名で落としているなら最初からエントリーシートで不合格になっていることでしょう。)
こうした行動の理由を学生に一つ一つ確認しながら面談していると、その行動の下にある心理が見えてきます。その大きなものは、面倒な可能性の低いことは早めに避けたい、この先の選考で不合格の結果を貰うのが嫌、などなのでしょう。採用選考は決して人格評価ではありませんが、他者との比較評価に慣れていないオンリーワン世代の若者にとって「不合格」とは人格否定と同じに感じられるのかもしれません。しかもこの傾向は、そこそこ能力があるけれどプライドも高い学生に見られますから。
こうした理由からか、せっかく可能性のあるカードを自分から捨ててしまっている学生が多いように感じます。現在の経済環境の厳しさを考えたら、人気企業ランキング上位の企業ばかり応募するのも言語道断ですが、可能性のありそうな企業なら選考途中で辞退せず結果が出るまで頑張って欲しいと思います。諦めるのは結果出てからで良いのですから。