第138号:あと一歩、内定のとれない学生のタイプ

企業での採用選考や大学での就職相談を行っていて、この時期に内定が取れない学生にはちゃんと理由があることがわかります。自己表現(プレゼンテーション)で失敗しているのが共通点ですが、この時期よく見受けられる、あと一歩が足りなくて内定が取れない学生の二つのタイプをご紹介しましょう。

 

  • 自己主張力(発言力)はあるが、他責的で自己のふり返りがないタイプ

アピール力(発言力)はあるのですが、内定が取れない理由が自分の何処にあるか客観的に見て反省する意識が弱く、次々に企業をまわります。強情でなかなか自分の考えや行動を変えようとはしないので、採用担当者からは自己中心的で扱いづらい人物と見られてしまいます。ちょっと意識を変えれば、その強情さは意志の強さになって長所になるのですが、それがなかなかできないのです。

 

2.セールスポイントはあるにも関わらず、プレゼンテーション力不足のタイプ

対人スキル(特に自分を上手に表現するスキル)が弱く、採用担当者に自分をうまく伝えられず、弱い人物と見られてしまいます。誤解されやすいタイプです。以下のようなタイプがあります。

・話す論理構造(結論・理由・事例)はある程度できているが、一般的すぎて印象に残らない。

・話す力はあるが、アガリ症で早口であったりして、話すうちに論理が崩れてしまう。

・話す内容が整理できていないので論理がたっていない。

*プレゼンテーション力不足の多くは、「話し方」の巧拙ではなく、「話す内容」が整理できていなくて自信がもてずにアガルという傾向が強いです。

 

上記の2タイプは、自分の課題に気づけば、比較的早期に選考合格することができますが、意外とできないのが自分の課題に気づくことですね。これは自分自身ではなかなかわかりませんから、就職課の職員の方などが上手に支援してあげる必要があります。(1のタイプは、就職課の言うことも聞かない傾向がありますが。)

 

他に、この時期に内定が無い学生に対して共通に指導すべきコトは、「内定がとれなかった理由」をちゃんと反省(分析)して、現時点の就活や自己理解にどれだけ活かしているかを話せるようにしておくことです。というのは、採用担当者はこの時期にやってきた応募者には必ず就職活動の経緯を質問してきます。そして、この時期に「内定無し」となると、「何が理由だろう?」と根拠を考えます。

 

つまり、春先の失敗経験は反省するかどうかによって、その後の成功につながるか失敗のまま継続するかの大きな分かれ目になるのです。これはとりもなおさず、学生自身の自己理解能力・現状把握力の開発および発揮でもあり、企業の採用担当者が重視するところです。人間、誰でも失敗はしますが、それを認められるかどうかがポイントなのですね。誰でも自分の若さ故の過ちは認めたくないものですが。

 

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