第79号:コミュニケーションの達人生協の白石さん

あっと言う間に「時の人」になったのが生協の白石さんですね。(大学職員でご存じない方は居られないでしょう。ついにアマゾンで書籍販売No.1になってしまいました。)少し前にTVで報道されてから一気にブレイクしたようです。白石さんの著書は顧客対応の模範ですが、コミュニケーションの達人です。面接でもまれにこんなウィットに富んだ学生さんとお会いすることがありますが、見習って欲しいところが多々あります。

東京農工大学の生協職員として顧客である学生さんのコメント・カードの内容がインターネットかされてついに今月出版されました。この本が売れた理由はいくつかあると思いますが、まさに時代が求めているアナログ感覚というか、暖かい人間的コミュニケーションですね。思いつくところでヒット要因をあげてみると以下の点でしょうか。

1.顧客に対して真面目に向き合う

⇒どんな難題、いやがらせ、クレームについても真剣に非常識なほど真面目に対応する。

2.組織の視点ではなく個人の視点で向き合う

⇒所属する組織から最低限求められている対応の上に個人のできうるサービスを載せている。

3.サラリーマン(社会人)としての悲哀も伝える

⇒どんなに個人で対応したくてもできないところはできないと(優しく)伝える。

4.ユーモアを忘れない

⇒コメントには必ず嫌味にならないユーモアを載せて余裕のある回答をする。

5.どんな質問にも対応するプロ意識

⇒決められた時間内に全ての回答を必ず行う。

*と、書いてきてみると、コラムを書いている私も見習わなければなりません。

白石さんの魅力は数々ありますが、昔はこんな対応をしてくれる大人は多かったです。子供の頃、小中学校での先生でも人気になるのは厳しさと同時に優しさも与えてくれた先生だったと思います。今は学校の先生も余裕がなくなってきているのでしょうね。

こんなコミュニケーションが話題になるほど、今の時代は乾いてデジタルになってきているのだと思いますが、採用選考面接でもふとこんなユーモアのある回答をしたくなりました。きっと白石さんは就職課職員に採用されてもカリスマ的な相談役になりますね。社会の現実と楽しさをうまく教えてくれるのはないかと思います。あまり知名度が上がることは望まれないかもしれませんが、そこがまた好感をよんでしまいそうです。

 

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