早いもので4月も中盤を過ぎ、大手企業の採用選考もドンドン進んでいます。まだ今年の戦線の傾向を判断する時期ではありませんが、企業が学生を呼び出すタイミングを見ていると、業界毎の特色が表れていてなかなか面白いものがあります。
・金融系(特に銀行)・・・4月に始まり一気に呼び出し。有望な学生は3日間連続で呼び出して短期決戦内定出しをすることも。(お上が絶対型呼び出し)
・製造業・・・倫理憲章をしっかり守り4月1日に始まるが、真面目に集団毎に管理して1週間おきに選考呼び出し。なので、全部終わるのに3週間位かかることも。(生産管理型呼び出し)
・総合商社・・・4月に入ったら自信満々マイペースで呼び出し。4月後半頃に余裕をもって内定出しをして、学生のもっている他社の内定を辞退させる。(殿様商売型呼び出し)
・ベンチャー系・・・2~3月から早期決戦で出会った学生はすぐに面接に呼び出して結果を出す。内定辞退されてもへこたれずに説得、またはすっぱり諦めて次の応募者を呼び出す。(ホリエモン型呼び出し)
こうしてみると、それぞれの業界文化というか企業のカラーというか、上司からの呼び出され方や、仕事の進め方もこんな感じかもしれません。知らないうちに企業の仕事スタイルが採用スタイルにも現れているのでしょうね。
ところで、選考に合格した応募学生に企業が結果を伝えて次の選考に呼び出す手段は今でも電話が中心です。電話は一度のコンタクトで結果通知と次の面接の出席確認がとれるのでもっとも効率が良いのです。最近はインターネットでのメールで連絡をする企業も増えてきましたが、結果通知メールを発信しても学生からの返事がないと面接スケジュールが確定できないので、却って非効率になる場合があります。(最近は面接日時をいくつかの候補の中から選べるシステムもありますが。)
最終面接で役員や人事部長等のオエライ様の面接スロット(面接に呼び出す時間割)に穴を空けてしまって時間を無駄にするのは恐ろしい事態なので、採用担当者は必死に面接スロットを埋める努力をしているのです。
携帯電話の無い時代の電話連絡では、学生の不在時には家族への伝言、一人暮らしの学生へは留守番電話にメッセージを残していました。ご家族の方が出られたときは、そのご家庭の様子が垣間見えてホノボノしたものです(親御さんから「どうぞ娘を宜しくお願いします!」と頼まれたりして・・・)。
いまは携帯電話への連絡が中心になりました。企業からの電話は通常、発番号非通知で連絡しますので、この時期は非通知の着信記録に「どこの企業からだろう?」と学生は疑心暗鬼になっておりますね。無機質な世の中になってしまったものです。