今年の夏は過去最高の真夏日数を記録しており、就職活動を続ける学生さんには辛いシーズンでしたが、そろそろ夏採用の方も結果が出始めています。私もこの夏は数名の学生の就職活動を支援致しました。春のシーズンでは思わしい結果を得られなかったり、遅れて活動を始めたためであったり、学生の事情はいろいろです。夏の就職活動では元気が一番なのは誰しもよくわかっていることですが、肝心なのはその元気がどうすれば取り戻せるかです。
6月に神戸大学で「就職リターンマッチ」と称して行った企画に参加した学生さんからも、最近、大手企業から希望職種で内定を貰ったとの連絡を戴きました。本人の弁によると、「やはり面接には自信をもって臨むことで、リターンマッチ企画の頃は自信を無くしていたのですが、あれをキッカケにだんだんと自信を取り戻して面接でも緊張しなくなりました。」とのこと。やはりどんな試練があっても、へこたれずに頑張るとそれなりの成果は出るものですね。元気を出して前向きになれば、内定を取れる学生はもっと増えるだろうと思うのです。若者に元気が無いのが、今の就職率低迷の原因かもしれません。
さてその元気や自信はどこから生まれてくるか?それはスポーツに例えると分かりやすいのではないかと思います。スポーツの試合では気合いや精神論だけでは勝てません。地道な練習を積み重ねて初めて結果がついてくるものですね。レースや試合で最後に自分を支えてくれるのは、練習から身についた知識と技術です。それでもプレッシャーは感じますので面接でアガルことは避けられませんが、採用担当者は実力があって上がってしまう人と、そうでない人を見分ける目は持っています。
そんなことを考えながら、今回の学生さんの支援活動ではやや長い時間をかけて志望業界の知識や見方、社会人のキャリア形成についての会話を致しました。話す内容は就職課の方がされているものとそれほど変わらないと思いますが、“見知らぬ大人”と長時間の会話を行い、自分の考えを伝える機会は就職活動中の学生と雖も意外と少ないようです。結局、そこで身についたものは、採用担当者と同じ人種の“見知らぬ大人”と会話する知識と技術で、そこから自信が生まれてくるようでした。特別なプレゼンテーションスキルでもなく、ただ単に“見知らぬ大人”と会話する機会、それが今の若者に決定的に欠けているものではないかと改めて思わされました。もしかすると敬語の乱れもタテ社会の崩壊もここに原因があるのかもしれませんね。