そろそろ企業の採用活動はセミナーが始まり、面接を行っているところでてきました。学生さんの多くは、まだまだこの時期は準備が十分ではなく、試行錯誤をしながら自己紹介を考えたり、志望動機を煮詰めたりしているところでしょう。一方の採用担当者も面接のウォーミングアップをしているところです。プロ野球選手と同じく、シーズン前の立ち上がりの時期は調整が必要なのです。
就職シーズンの初期は、企業の採用担当者も面接の勘を取り戻すのにちょっと時間がかかります。そのシーズンの最初の面接ではなかなか緊張するものです。やってくる学生さんもまだまだ面接に慣れておらず、初対面同志のお見合いのようでお互いの会話も要領を得ていません。
毎年の採用選考基準は、その年の応募学生と接していくなかで、だんだんと形成されていき、内定者1号が出るとその人がまず採用のリファレンス・モデルというかひとつの採用基準になります。これを繰り返すことによって、「今年の基準はこのあたりだな。」と選考基準を絞り込んでいきます。まるで新しいピストルを何度か試射して狙いを定めているようなものですね。
意外に思われるかもしれませんが、採用の現場の担当者、人事部長、役員、のそれぞれは同じ基準で学生を見るわけではなく、それぞれの視点で判断しています。そのため、応募者は何回かの面接の中で同じ質問をされることがあります。学生としては同じ回答をして良いものか戸惑うようですが、選考側は異なる基準でみているのですね。
就職シーズンが進み、選考がある程度進んでくると、そのシーズンの応募者のレベルが見えてきます。順調に進めば良いのですが、思ったより合格者が少なかったりすると、選考基準の見直しを考える(基準を緩める)ことを考えるのですが、ここ2年ほどは経済の見通しが不明なので、基準は緩めずに募集期間を継続する企業が増えています。
ちなみに、企業の採用担当者は、応募者の敬語の間違いなどは全く気にしません。面接であがっている学生さんの態度も選考基準とは関係ありませんが、緊張しすぎて話ができないとポイントが稼げません。多くの企業で面接は加点主義ですからね。