第6号:応募学生のレベル低下(今年の就職戦線の傾向2)

今シーズン、採用担当者からもっとも多く聞いたのは、応募学生のレベルの低下の件でした。文部科学省もようやく子供の学力低下について、認識を新たにし始めているようですが、採用の現場の人間は危機的なものを感じ始めています。

長年、採用活動を行っていると、当たり年とそうでない年があるというのは経験してきましたが、ここ数年は明らかに連続して低下の傾向にあるようです。それも学力の低下という知識面だけではなく、挨拶・マナー等の常識に関する部分も目立ってきました。企業説明会に遅刻しても、「遅れてきました。」と当然のことのように遅れてきた対応を求められたりします。ついにある著名企業は、遅刻応募者を門前払いするようになりました。「大学4年生というよりは、高校7年生だね。」という採用担当者もおります。

この傾向には多くの複合的な理由があるのでしょうが、最近の高校生の就職率が減り大学進学率が上がっているところをみると、これまで大学進学しなかったタイプの学生が増加しているのではないか?ということは容易に推測されます。面接の現場の実感でも、有名大学の学生に対しても、「あなたは一般受験入学ですか?推薦入学ですか?」という質問が欠かせなくなってきました。こういった現象は、就職相談の現場にあるみなさまにも実感されているのではないでしょうか?

かつては期待するレベルの学生が採用できない時には、ボーダーラインの学生に内定を出す企業もありましたが、この経済環境下においては、定員割れしても無理に採用しない企業の方が増えてきています。その結果が、2001年の新卒無業者率21.3%(文部科学省学校基本調査)という数字を生み出す理由の一つになっているのかもしれません。コトはもう世代ではなく時代の問題になりつつあるといえるのではないでしょうか。

 

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